足のしびれの原因となる代表的な病名(詳細)
椎間板ヘルニア(椎間板障害)
状態
腰の背骨と背骨の間にあるクッションのようなものが切れたり、さらに中のゼリーのようなものが飛び出るような状態です。
症状
通常、腰痛に加え、足に強い痺れが出て、背中を反らしたときに、痺れが強くなる傾向にあります。
また、夕方やよりも、朝(睡眠後)に症状が強く出てくる事も多いです。
整形外科では、【痺れがなくても】椎間板ヘルニアと言われるケースがほとんどです。
ただし、文献によると腰痛のない人の5人に1人は、椎間板ヘルニアと言われるような状態であるようです。
原因
・不良姿勢で重い荷物を持つ
・不良姿勢で【何度も】重い荷物を持つ
椎間板に負担が掛かることを繰り返すと生じやすくなります。
対応
痺れが【ない】椎間板ヘルニアに関しては、代替療法で効果的な治療が望めます。治療法も変わりません。
痺れが【ある】椎間板ヘルニアに関しては、靴擦れのように神経や周囲の筋肉などにぶつかって、炎症が起きていますので、時間が掛かるケースがほとんどです(数ヶ月単位)。
整形外科では、通常牽引と、神経の循環を良くする薬(ビタミン剤)、痛み止めがほとんどです。
最近では、ブロック注射を用いるところもあります。ブロック注射がとても良く効く場合もありますので、試してみるのも良いかもしれません。
さらにひどくなると手術も治療法の一つになってきます。
個人的には、整形外科を受診し、2週間ほど治療を受けて、良くならない場合に、代替療法を受診が最もコストパフォーマンスが高いように思います。
ただし、代替療法の方が積極的なアプローチが可能であるように思いますので、いきなり代替療法受診でも大丈夫だと思います。
変形性腰椎症
状態
腰の背骨が変形し、神経が出てくる穴が狭くなったために、足にしびれが出てくる状態です。
症状
足や脚に【電気が走るような鋭い】痺れが出てきます。特に腰を反らした時にしびれが強く出てきますので、
・高いところにあるものを取るときなどに、腰を反らした際に感じるようになります。
神経に沿ってのしびれで、神経を圧迫しているために、感覚の左右差や、スリッパが脱げる、つまづきやすくなるなど、つま先が上がりにくくなります。
原因
不良姿勢による長時間の腰への負担
腰を鳴らすクセ
交通事故による腰の不安定感
で、腰の骨が変形し、症状が出てきます。変形には長期間かかるため、40歳代以降に症状が出てきます。
対応
カイロプラクティックによる施術が最も効果的です。
背中や身体のバランスを整え、腰にかかる負担を減らし、変形し狭くなった穴を広げやすくするのが目的です。
整形外科では、「老化による変形なので、上手く付き合っていくしかない」と言われ、ビタミンB群などで神経の回復を狙いますが、積極的な方法はありません。
整形外科では、変形性腰椎症と言われても、しびれは、椎間関節症候群が原因であることが多いように思います。
椎間関節症候群
状態
腰の背骨と背骨の間にある関節に問題があり、そこが原因で、腰の痛みや足や脚にしびれが出てくる状態です。
症状
通常、腰に同一姿勢を続けた後あるいはその最中の鈍い痛み、あるいは、腰を動かしたときなどのズキっとした痛みを感じます。
足や脚に【鈍い】痺れが出てきます。一般に、神経に沿ってのしびれですが、神経を圧迫していないために、よく調べてみると感覚の左右差などがあまりありません。
原因
長時間の不良姿勢や運転による腰への負担などが原因で、関節が硬くなったり、働かなくなることによって起こる。
対応
カイロプラクティックによる施術が最も効果的です。関節の動きの悪さや硬さに積極的にアプローチできるのは、カイロプラクティックのみで、その他の療法に比べ、短期間で改善が期待できます。
整形外科での腰全体の牽引で改善が見られるのは、椎間関節症候群が多いように思います。
整形外科では、レントゲン撮影により、椎間板ヘルニアと診断されることがかなり多い状態です。
足にしびれがあるため、椎間板ヘルニアと診断されますが、ほとんどのしびれは、椎間関節症候群が原因であることが多いようです。
仙腸関節症候群
状態
腰の背骨と背骨の間にある関節に問題があり、そこが原因で、足や脚にしびれが出てくる状態です。
症状
足や脚に【鈍い】痺れが出てきます。一般に、神経に沿ってのしびれですが、神経を圧迫していないために、よく調べてみると感覚の左右差などがあまりありません。
原因
長時間の不良姿勢や運転による腰への負担などが原因で、関節が硬くなったり、働かなくなることによって起こる。
対応
カイロプラクティックによる施術が最も効果的です。関節の動きの悪さや硬さに積極的にアプローチできるのは、カイロプラクティックのみで、その他の療法に比べ、短期間で改善が期待できます。
整形外科での首全体の牽引で改善が見られるのは、椎間関節症候群が多いように思います。首全体を牽引するため、上手く行けば改善するが、狙っての改善が狙いにくいように思われます。
整形外科では、レントゲン撮影により、椎間板ヘルニアと診断されることがかなり多い状態です。
手や腕にしびれがあるため、椎間板ヘルニアと診断されますが、ほとんどのしびれは、椎間関節症候群が原因であることが多いようです。
腰部脊柱管狭窄症
状態
腰の背骨が変形する、あるいは椎間板ヘルニアにより脊髄が通る穴が狭くなったために、足や脚にしびれが出てくる状態です。
症状
主に訴える状態としては、数百メートル歩いた後に、足にしびれがでて、それ以上歩けなくなるが、前屈みでしびれが回復します。(間欠性跛行と呼ばれる)
原因
・不良姿勢による長時間の腰への負担
・腰を鳴らすクセ
・交通事故による腰の不安定感
で、腰の骨が変形する。あるいは、
・重いものを持った状態で腰をねじる
などで、椎間板ヘルニアが生じ、症状が出てきます。変形の場合は長期間かかるため、40歳代以降に症状が出てきます。
対応
最も対応が難しい状態です。変形が原因の場合は、どの療法でも効果を実感できにくいように思います。
背中や身体のバランスを整え、腰にかかる負担を減らし、変形し狭くなった穴を広げやすくするのが目的です。
整形外科では、「老化による変形なので、上手く付き合っていくしかない。歩く距離がかなり減ったり、股間部に痺れが出てきた場合は手術も考えましょう」と言われ、ビタミンB群などで神経の回復を狙いますが、積極的な方法はありません。
腰部脊柱管狭窄症と言われ、間欠性跛行があったが、筋肉の疲労が原因だったというケースが稀にあります。しっかりと診断してくれるところに行きましょう。
【注意】
間欠性跛行は、動脈硬化でも出てくる症状なので、医師としっかりと相談して下さい。
梨状筋症候群(坐骨神経痛)
状態
お尻の筋肉が強く緊張して、その下にある神経を圧迫する状態です。
症状
通常、お尻の緊張(凝り)と太もも後面から下の痺れ(太もも前面は感じません)が出てきます。人によっては腰痛として感じることもあります。
原因
歩き方が悪い、あるいは椅子、靴などが合わずに、お尻の筋肉に負担が掛かり、緊張が強くなる
対応
基本的には、マッサージや鍼、ブロック注射が効果的です
筋肉を緩めるのが、主な目的となるので、鍼は効果的です。
改善があまり感じない場合は、歩き方や骨盤の問題が考えられますので、カイロプラクティックなども良いかもしれません。
外側大腿皮神経症候群(感覚異常性大腿神経痛)
状態
股関節の前外側(ベルトの引っかかる骨の少し下)で、神経が圧迫されて、しびれが出てくる状態です。
症状
通常、太もも外側に「感覚異常」が出てきます。痛みよりも違和感と感じる方が多いです。
原因
小さめのズボンや下着、ベルトの位置
慣れない靴での歩行
青年では、ズボンの腰ばきが原因で、症状が出てきます。
対応
股関節外側の筋肉を中心に緩めるのが目的です。
また、カイロプラクティックなどでは、骨盤や膝の調整により、股関節外側に掛かる負担を軽減させます。
女性の方で、鍼灸を選択する場合は、先生が女性を選択して下さい。場所が場所だけにセクハラの問題が絡んでくるためで、事前に治療院に問い合わせ下さい。
整形外科では、安静と、神経の循環を良くする薬(ビタミン剤)、痛み止めがほとんどです(場合によりブロック注射)。
腓骨神経トンネル症候群
状態
膝の外側で、神経が通る道が、ふさがれ、しびれが出てくる状態です。
症状
膝下の痺れ
特に、親指内側「以外」の場所にしびれが見られます。
原因
膝外側をぶつけた、転倒した
満員電車などで、身体が傾いた状態でいた。
正座、あぐら、足の組み方が悪く負担が掛かった。
対応
膝の外側の関節や筋肉に対してアプローチします。筋肉に対してアプローチするだけでは、一時的にしびれが軽減するだけの可能性があります。
また、必要に応じて、歩行方法を変更する必要があるかもしれません。
一般に、足のしびれは、椎間板ヘルニアと間違われやすく、経験上、この状態が最も間違われます。通常の整形外科では、ヘルニアと言われやすいので、ペインクリニックなどに相談するのも良いかもしれません。
カイロプラクティックなど適切な場所で、しっかりとケアして下さい。
前足根管症候群
状態
足首の前で、神経が圧迫された状態です。
症状
足の甲で、足の親指と人指し指の間くらいに鈍いしびれを感じます。
原因
最も多いのは、ハイヒールを履いた後に出てきます。
その他、登山や階段の下りが原因で症状が出てきます。
対応
腰や膝関節、足関節に対してアプローチします。
また、必要に応じて、歩行方法を変更する必要があるかもしれません。
カイロプラクティックでは、一度の治療で、ほぼ改善が見られるため、最もお薦めします。
足根管症候群
状態
内くるぶしの下付近で、神経が圧迫され、足の裏全体に痺れを感じる状態です。
症状
足の裏全体に痺れや痛みを感じます。
原因
歩き方や靴が合わないために、扁平足になり、足の内側に体重が掛かかります。
その結果、内くるぶしの下付近で、神経が圧迫されることにより、痺れが生じます。
対応
足の裏の疲労や靱帯の緊張を取り除き、扁平足の改善を目指します。
さらにその原因となる膝や骨盤の治療を行います。
ただし、個人的にはあまりお薦めしません。
マッサージやカイロプラクティックなどで、適応と訴えているところも多いですが、治療には長期間かかるために、金銭的な負担が大きくなります。
それよりも、適切な靴を作成してくれるところを選んで下さい(もちろん並行して、代替療法を選択するのも良いでしょう)。
痺れが強く、生活に支障が出てくる場合は、手術も選択の一つです。
その他の足のしびれの原因
その他
【代替療法で対応できる】
特定の指先の半分だけが痺れる指神経症候群
腸骨筋症候群
膝窩筋症候群
伏在神経症候群
【代替療法で対応できない】
糖尿病(鍼灸では可能)
動脈閉塞
など様々な病気があります。
ただし、
神経は複雑なために、得意としている先生以外では、どのような療法(整形外科や代替療法を含む)に掛かっていようと、原因が分からないことが多くあります。
また、いずれの治療を受けていたとしても、神経細胞が一度、破壊されてしまった場合は、回復までに6ヶ月ほどの時間が掛かる場合もあるので、少し気長に試してみてはいかがでしょうか?
個人的な意見としては、神経外科やペインクリニック、一部のカイロプラクティック以外では、的確にケアをして貰えないように思います。