産後の症状
注意
産前・産後の痛みは、病名よりも原因と家庭でできる対応法を中心に書いていきます。
個別の病名は別項目で詳細に述べていきます。
腰痛
原因
出産直後は、腹筋の筋力が戻らない上に、育児の際に、お子さんの抱っこで反り腰になりやすいという状況です。そのため、
1.反り腰になるため背骨と骨盤の境目付近を中心に詰まる
2.長期間反り腰になるため、腰周囲の筋肉が疲労する
また、出産により骨盤自体が不安定になるため、
3.骨盤の安定させる筋肉が疲労する
ということが多く考えられます。
痛みは放置しておくと、身体のバランスが崩れやすくなり、シビレやさらなる痛みの原因になるため、可能な限り専門家の治療を受けておくと良いでしょう。
家庭での対応
筋肉を疲労させないために、軽い運動や軽いストレッチにより、循環を改善させ、痛みを減らすことが良いでしょう。
ただし、数回の運動やストレッチで改善が見られない場合は、専門家に相談してみてください。
注意事項としては、ストレッチは強く行うと、筋肉は柔らかくなりますが、産後の不安定な骨盤に対しては、負荷が大きくなりがちです。
経験上は、専門家による治療を定期的に行っておくことをお勧めします。
産後の骨盤は不安定なために、自己管理がかなり難しく、この時期の過ごし方やケアにより、産後1年あるいはそれ以降の身体の状態が大きく異なります。これは年齢には関係がなく、20歳の出産でも、40歳の出産でも大きな違いがありません。
すべての人に問題が出るわけではありませんが、更年期やそれ以降の、腰痛や尿漏れの原因の一つとなる可能性もあります。また長期間の身体のバランスが崩れていると、膝の痛みなどの様々な痛みの原因にもなります。
肩こり(頭痛)
原因
ほとんどは、抱っこが原因です。子供の抱っこ時間が長くなり、筋肉が疲労しているために起こってきます。そのほか、授乳姿勢、夜間の授乳姿勢(寝乳)などの日常習慣も影響します。
手首や肘に痛みがある方に関しては、それらをかばっての痛みが出てくることも多く見られます。
家庭での対応
筋肉を疲労させないために、軽い運動や軽いストレッチにより、循環を改善させ、痛みを減らすことが良いでしょう。
ただし、数回の運動やストレッチで改善が見られない場合は、専門家に相談してみてください。
鍼灸やカイロプラクティック、マッサージなどご自身が掛かっているところが良いと思われます。
恥骨の痛み
原因
出産する時に骨盤が広がったために骨盤前面にある恥骨部に負担がかかり、さらに出産時の「いきみ」で恥骨が引っ張られ、炎症が起きたりします。
ただし、実際には炎症などが起きなくても、筋肉のアンバランスや骨盤のねじれやズレなどが原因の可能性が高いです。
家庭での対応
家庭でのケアが最も難しい状態です。
原因が様々で、特定の部位
経験上は、専門家による治療を定期的に行っておくことをお勧めします。
産後の骨盤は不安定なために、自己管理がかなり難しく、この時期の過ごし方やケアにより、産後1年あるいはそれ以降の身体の状態が大きく異なります。これは年齢には関係がなく、20歳の出産でも、40歳の出産でも大きな違いがありません。
すべての人に問題が出るわけではありませんが、更年期やそれ以降の、腰痛や尿漏れの原因の一つとなる可能性もあります。また長期間の身体のバランスが崩れていると、膝の痛みなどの様々な痛みの原因にもなります。
多くの人はインターネット上で検索し、「恥骨結合離開」や「恥骨結合脱臼」などの病名に行き当たると思いますが、経験上、ただの骨盤や太ももの筋肉のアンバランスによって起きているケースがほとんどです。
膝の痛み
原因
特に、床や布団にお子さんを置いて、おむつ交換をするなどを繰り返すために、膝に負担が掛かり痛みが出てきます。
そのため、
○しゃがみ込んだ後に立ち上がるときに
○お子さんを床から持ち上げるときに
○階段を上るときより、降りるときに
膝の付近に痛みを感じます。
家庭での対応
湯船の中で数分間(2〜3分程度)正座をして、太もも前面の筋肉をストレッチすると痛みが軽減する場合があります。
家庭での対応で軽減しない場合は、骨盤や股関節、膝、足首などの総合的なバランスが関連するため、トータルケアとして可能なカイロプラクティックをお勧めします。
手首の痛み
原因
特に首が据わる前に横抱きしているときに、手首を強く曲げて、抱く方によく見られます。さらに手首を曲げ伸ばしの動作を繰り返すと、負担が増えて、痛みを訴える方に多く見られます。
対応
自宅でできることはかなり限られるため、専門家の受診をお勧めします。
経験上、ほとんどの場合で、一度のケアで痛みはほぼ消失します。
尿漏れ
原因
ほとんどの場合、産後の骨盤ケアが不十分なために起きる症状です。妊娠出産による骨盤底筋の筋力低下に加え、骨盤のねじれや緩みが原因で起きます。
産後数年してから症状が出始めるケースもあり、60歳を超えてから出てくるケースも多く見られます。
ご家庭での対応
・排尿時に一度止める
・歩くときに、おしりの穴を締めるような感じに力を入れる
などがありますが、骨盤の問題がある場合は大きな変化が見られにくいのが現状です。
1〜2ヶ月ほど上記のエクササイズを行ってみて、変化がなければ専門家を受診してください。
骨盤のケアを行いながら、3ヶ月程度の期間が必要です。
尿漏れは、なかなか他人に相談できず、辛いのを我慢している方が多いです。可能な限り早い段階での受診を勧めます。